格安SIM事情 2019年版

以前、格安SIMについての記事を書いた時と、かなり状況が変わってきましたのであらためて2019年版としてまとめておきます。
格安SIM事業者がどんなものか、なぜ安いのかというのは、格安SIMってどうなの?をご覧いただければと思います。

こんな人にはおすすめ

まず結論から先に書いてしまいます。
理由はこのあとで説明していきますが、格安SIMをおすすめできるのは以下のような利用スタイルのかたです。

  • 朝夕の通勤時間帯、ランチタイム、寝る前など混雑時間帯にあまり使わない
  • 動画等のデータ量の多いコンテンツを見ない
  • メールやメッセージでのコミュニケーションがメイン
  • 月間の通信料が7GB未満
  • あまり電話を使わない

つまり、主要キャリアが使用できるパケット量を増やしたりという方向に行っているのに対し、あまり使わないというかた向けと言えるでしょう。
各業者の選び方は最後に記載します。

なぜこうなのかというポイント、格安SIM業者の選び方を順に説明していきます。
まずは「格安SIM」と呼ばれている業者には2タイプあるというお話から。

格安SIMには2種類ある

最近格安SIMとしてまとめられている業者には2タイプあります。

以前の記事で、格安SIMはMVNOというタイプの事業者が提供する回線ですと書いたのですが、現在格安SIMと呼ばれている中で、ワイモバイルだけがMVNOではなくMNOだったりします。
MNOは、ドコモ、au、ソフトバンクと同じ回線事業者のカテゴリで、ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドという位置づけです。
余談ですが、楽天モバイルも今はMVNOとして回線を提供していますがMNOに参入しようと準備を進めています。

イーモバイルの頃は扱いが違ったと思いますが、なぜ格安SIMに分類されるようになったのか不明です。
ワイモバイル高いじゃん!と言われますが、このあたりの成り立ちの違いにも起因しています。

利用者が増えたことによる問題

2019年版とするにあたり、個人的に一番気になったのがこの部分です。
各社とも通信速度がかなり遅くなっています。

各社の回線速度を実測で比較しているサイトkeisoku.ioというのがありまして、直近24時間のデータを見ることができます。
このデータによると、平日のMVNOタイプの業者は軒並みお昼の時間帯に1Mbpsを切っており、ひどいところは100~200kbps程度しか出ていない事業者もあります。
100~200kbpsというのは、プラン分のパケット量を使い切って通信制限がかかった状態とほぼ同じです。

このため、おすすめできるかたとして挙げた項目の先頭に「混雑時間帯にあまり使わない」というのを入れました。
メールやメッセージなどの文字のやりとりであれば特に問題はないのですが、ここまで下がってしまうとLINE通話などの音声通話の音質には少し影響が出るかもしれません。

ここにきて別格なのが先述のワイモバイルです。
MVNOではなくソフトバンク回線を丸ごと使えるようなイメージになりますので、回線速度は他者と比べると速いです。

もう1社、UQモバイルも大きな速度低下はありません。
UQモバイルはMVNOという位置づけながらもKDDIグループのサブブランドという扱いなので、ワイモバイルと似た性質があります。

つまりサブブランドと呼ばれるワイモバイル(ソフトバンク)とUQモバイル(au)の2社は、タイプは違えど格安SIM事業者の中でも十分な帯域が確保されており、通信が安定している(=他社よりちょっと高い)と言えます。

ライトユーザー向けである理由

冒頭に「月間の通信料が7GB未満」、「あまり電話を使わない」と書きましたが、たくさん動画を見たりとか数十GB使うというかたは、主要キャリアがそういったかたむけに大容量のプランを出しています。
逆に格安SIMでは、追加料金で契約パケット数を増やせるものの上限があったり等、大容量使うかたには向いていません。

電話に関しては各社オプションで5分間かけ放題みたいなプランがあったりはしますが、専用のアプリを使う必要があります。(ワイモバイルを除く)
また、完全にかけ放題になるようなプランは私の知る限りは格安SIMでは提供されていません。

過去にあったデメリットが現在どうなっているのか

以前の記事でいろいろなデメリットを取り上げました。
これらに関して、現在どのようになっているのかを見て行きましょう。

使用できる端末

以前も書いたとおり、基本的にはSIMフリーと呼ばれるタイプの端末を販売している業者がほとんどです。
大きく事情は変わっていませんが、提供される回線が以前はほとんどドコモだけだったのに対し、最近ではauやソフトバンク回線も増えてきています。
このため、自分が持っている端末に合わせて回線種別を選ぶと良いでしょう。

メールアドレス

各所への登録にキャリアメールしか使えないことがあるという問題。
これはサービス提供側がだいぶGmail等にも対応し、以前より気にしなくて良くなっています。

お友達とのやりとりにもメールを使うことは減っていると思いますので、以前のようにキャリアメールじゃないと届かない設定をされていて友達とメールできない!みたいなケースも減っているのではないでしょうか。

LINEおよび類似アプリでの年齢認証

一番の問題はこれだと思っています。
コミュニケーションツールとしてLINEを使うことが多い現在、年齢認証をしておかないとID検索や電話番号検索を行うことができません。(年齢認証されていても18歳以上であることが条件です)

QRコードを使えば登録できるのですが本来QRも年齢認証を必要とすべきでしょうし、いつ使えなくなってもおかしくありません
パソコン版のLINEからは年齢認証なしでID検索や電話番号検索ができるというのも同様です。

LINEの仕様の話になってしまいましたが、現時点でLINEでの年齢認証が可能な格安SIM事業者は、ワイモバイルとLINEモバイルのみです。

格安SIM業者の選びかた

ここまでの主に格安SIMのデメリットである部分をふまえて業者の選び方です。(個人的見解です)

  • 動画等のコンテンツを見る場合はUQモバイルかワイモバイル
  • LINEの年齢認証が必要ならワイモバイルかLINEモバイル
  • 既に持っている端末を使う場合、端末の回線種別と同じ回線を提供している事業者
  • あとは企業イメージとか料金で選んで良いと思う

という感じです。

ちなみに、私自身は現在3回線契約があり、ドコモ、LINEモバイル(ドコモ)、リペアシム(ソフトバンク)を使っています。
先日の記事のとおりiOS13とドコモ回線で不具合がありそうなので、19年使ったドコモを解約しワイモバイルに移行しようとしています。
このあたりの詳細は別途記事にしたいと思います。

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